ちいさな森

ぶよっこりーの頭の中

数学やったことない人こそオススメ。「宇宙と宇宙をつなぐ数学」を読了しました。

なんでこの本を手に取ったのかは私自身よくわからないのですが・・・。えっと、まあ、”宇宙”という単語につられただけです・・・。

宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃

宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃

 

 

でも読んでみて、とても面白かったです。

普通にしてたら、私の生活とは交差することはなかったであろう本ですが、本当に出会えて良かったです。

 

IUT理論はさっぱりわからない。

「宇宙と宇宙をつなぐ数学」と聞けば、言葉の通り、今ある”宇宙”とその外にある宇宙(ありそうですよね)を解説するような本なのかと思いましたが、内容は全くそんなものではありませんでした。私たちが一般的に使う宇宙(土星とか天の川銀河とかブラックホール)とは全く関係ありません・・・。中身を確認せずにタイトル買いするのはやめよう・・・。主婦なんだから・・・。(でも、今回は大当たり!)

 

現実世界では分かち難く存在する足し算と掛け算を分離して、違う宇宙に持っていくという・・・もはや何を言っているのかさっぱりわかりません。 同じ数を足し合わせることが掛け算だよ。何言ってんのさ・・・。天才の脳みそどうなっているのさ・・・。 ということで、この本が意図するところの「IUT理論」については、さっぱりわかりませんでした!  申し訳ない。脳みそがポンコツなので・・・。

 

著者もこんな層にリーチするとは思ってなかったことでしょう。

 

 

じゃあ、何が面白かったのか。

まず数学者の世界を垣間見れたのが良かったです。 私自身は文系なので、大学数学を大学では学んでいません。それでも、大学数学と高校数学の距離が途方もないことを感じていたので、それがどうして生じるのか。また、大学で数学を学ぶ人たちの頭の中(?)がどうなっているのかが少しでものぞくことができたことがとても刺激的でした。

 

おそらくこんなにわかりやすく、くどく(すいません)、一般の人でも理解できるような形で高校までの数学と大学で取り扱う数学の違いを解説している本は今までになかったのではないでしょうか。

 

他にも専門的なテーマの概要もわかりやすく解説されていました。

 

例えばABC予想。これについては、実は名前も聞いたことがなかった(!?)のですが、この本を読むことで問題の中身を理解することができました。当然、予想が正しいかどうかなんて知る余地もありません・・・。

 

ガロア理論については名前を聞いたことはありました。群がどうしたこうしたといった話ですが、こちらも、全くの無知の状態からなんとなく概略がわかったような気がします。ガロア理論の解説の中に「日常の具体的な事柄を、形式的な記号の演算に還元してしまうことで、大幅な思考の節約を行うということは、なにも群の考え方に始まったことではありません」といった記述があるのですが、こういった数学と日常生活を結ぶ視点はとても興味深いものでした。

 

なんというか、数学って哲学なんだなあ、って思います。そういう意味では、私のような数学門外漢でも、少し視点を変えたら数学に入門できるのかなあ、って思わされました。 ということで思ってもみなかった出会いでしたが、「宇宙と宇宙をつなぐ数学」とても面白かったです。

 

 

まとめ

「宇宙と宇宙をつなぐ数学」は数学をやっていない人でも楽しめる本です。 いつか娘にも読んでほしいなあ、と思います。 視野が広がり、数学がもっと楽しくなるような気がします。

 

さて、IUTには手が出ないけど、数学、勉強しようかな。

 

 

宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃

宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃

 

 ガロア理論をちょっと勉強してみたいと思わされたので、とりあえずこのあたりを読もうか考え中。 

数学ガール/ガロア理論 (数学ガールシリーズ 5)

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